#2 留学するのはいいけれど、じゃあ具体的に何しに行くの?
選択と集中を
前回の投稿「1.フィリピン留学は英語学習の救世主、ではない!」にて、「フィリピン留学には戦略が必要」だと申し上げました。
では、具体的にどんなことを考え、準備しておく必要があるのでしょうか?
まず、英語を身につける手段としてフィリピン留学を検討し始めたタイミングで、「フィリピンじゃなきゃ習得できないもの」や「日本でやるよりフィリピンでやった方が効率よく習得できるもの」は何なのか、よく考えることです。
そして、留学までの間はそれに向けて計画的に全力で準備することをオススメします。
さらに、必ずしもフィリピンでなくてもできることは、思い切って全て切り捨ててしまいましょう。
スピーキングに注力すべし
では、「フィリピンじゃなきゃ習得できないもの」「日本でやるよりフィリピンでやった方が効率よく習得できるもの」ってなんでしょう?
まず最初に、フィリピン留学で一般的なアピールされているメリットを簡単に整理してみましょう。いろいろあるとは思いますが、個人的には以下3つに集約されると考えています。
- リーズナブルな価格で
- マンツーマンで
- (英語で)英語を教えてもらえる
では、ここで仮に英語の能力を以下の4つに大別した場合、これらのメリットがもっとも効果を発揮する分野は何でしょうか?
- リーディング
- ライティング
- リスニング
- スピーキング
そうです。スピーキングです。勉強するときに相手が必要で、かつ日本人が最も苦手としているスピーキングこそ、フィリピン留学で強化すべきです。メリットの2が最も効果を発揮する分野ですね。
グラマーの勉強は絶対NG
逆に、フィリピンでの勉強を最もおすすめしないのは、「グラマー(文法)」です。なぜなら、グラマーの勉強を始めた瞬間、メリットの2と3がデメリットと化すからです。
まずはメリット(デメリット)3からみてみましょう。
突然ですが、動名詞って英語で言えますか?仮定法って英語で言えますか?
ボキャブラリーの問題だけではありません。先日、授業の中でたまたま文法の話になったことがあったのですが、フィリピン留学歴4ヶ月の私でも、文章の中の単語の役割や、語、句、節同士の関係を英語で説明するのにかなりもどかしさを感じました。いはんやスピーキング初心者をや、です。
また、授業中にグラマーでつまづいてしまうと、その分だけスピーキングの時間が削られるのはもちろん、肝心の話す内容に対する注意がおろそかになり、効果が激減します。
次にデメリット2について。
実はマンツーマン授業はそもそも、体系的に学ばなくてはならない分野、すなわちグラマーなどの学習には向きません。これは自身の個別指導塾講師の経験からお伝えすることなのですが、マンツーマン形式の学校や塾は、基本的に生徒の進捗度やニーズに合わせた授業を提供することをウリにしているため、いわゆる「カリキュラムの充実度」が、集団形式の教育機関に比べて劣ることが多いです。
さらに言うと、フィリピン人の先生たちは実はグラマーを教えるのが苦手です。これは実際に本人たちから聞いた話なのですが、彼女らは幼い頃からアニメなどを通じて英語に親しみ、幼稚園や小学校からはすでに「英語で」教育を受けるほど堪能なので、英語のグラマーの勉強などしたことないそうです。英語を学問として専攻しない限り、「英語」という科目もないそうです。
もちろん語学学校の先生は一通りグラマーを教えられるように教育されているので授業を受けること自体はできますが、英語まったく話せません、グラマーも分かりません、という生徒は、
「てめぇ、グラマーくらい日本でやってこいや!授業にならんだろうが!」
と思われていることは頭に入れておくと良いと思います。口には出しませんけどね。
そんなわけで、動名詞や仮定法の話を英語でできることが大切なのではなく、そんな話をしなくても済むように日本で徹底的に準備してくることが重要です。テキストについても、日本で販売されているものの方が日本人に合っていると思います。はっきり言ってグラマーをフィリピンで学ぶメリットは全くないことが理解頂けたでしょうか。
ここまでは想定通りだったけど・・・
と、ここまでは、他の生徒さんと話しても比較的出てくる話でしたし、個人的にも想定して授業に臨むことができました。
ところが、実際に留学を経験してみて、もう一段階踏み込んだ準備をすべきだったなぁと反省していることがあります。次回お伝えしたいと思います。
今日のまとめ :
フィリピンで注力すべきはスピーキング!グラマーは留学前に日本で完璧に仕上げておき、間違っても現地でクラスを取るようなことはしないように。