#268 無料ストックフォトへのプロ参入の是非を議論するのは無意味
面白い記事を見つけたので、自分なりの意見を綴ってみようと思います。まずは以下をご一読下さい。
無料ストックフォトへのプロの参入はありかなしか?
記事は「無料ストックフォトにプロレベルの写真をアップすることの是非」を問うもの。これに関しては、
そもそも「アップしてもOK」「アップすべきではない」という議論自体がナンセンス。
というのが個人的な意見です。その理由は以下2つです。
1.作品が「プロレベル」かどうかは誰も決められないから
どんなものにも「プロ」「アマチュア」と呼ばれるものはあり、別の言葉では「それでご飯を食べていればプロ」「そうでなければアマチュア」としばしば説明されます。そう、プロとかアマチュアとかいう話は、それを生み出す「人」に対して使うのであれば、比較的分かりやすい考え方です。
一方、生み出された「作品」に目を向けると、それがプロレベルかアマチュアレベルかは、誰も決めることができません。プロだってレベルの低い作品を作ることはあるし、アマチュアだってプロレベルの作品を生み出すからです。
2.無料ストックフォトの普及は止まらないから
質の高い写真が無料ストックフォトに増えて価格破壊が起きたとしても、それが利用者にとって歓迎されることなのであれば、その動きは止まらないからです。他の人がどんなに抵抗しようとも、です。
仮にあるフォトグラファーの収入が減ったとして、それが無料ストックフォトにプロがたくさんアップしたからだとしても、それはマーケットが決めた本来の姿なのです。非難するだけ時間とエネルギーのムダです。
これは、ジャズミュージシャンがライブだけで食べていけない話とすごく似てますね。詳しくはコチラの記事をどうぞ。
ジャズミュージシャンがライブで食えないと嘆いても仕方ないのと同じで、フォトグラファーが写真で食えなくなっても、それはテクノロジーの進化が引き起こした不可逆な流れなのです。
フォトグラファーはどうすればいいか?
否定するだけでは建設的でないので、では無料ストックフォトの普及に対してフォトグラファーが取るべきアクションは何か?こちらも2点考えてみました。
1.「自分の写真にお金を払ってくれる人」をターゲットにする
どんなに無料ストックフォトが普及しようとも、世の中の全ての写真が無料になる訳ではありません。そもそも写真も洋服と一緒で、①オーダーメイドで撮って欲しい人もいれば、既製品で事足りるという人もいます。後者はさらに、②お金を払ってでもいい写真を手に入れたい人と、③できるだけ無料で手に入れたい人に別れます。③は個人や零細企業の人が多いでしょうから、それ以外の①②をターゲットとする作戦です。
もちろん、そういう人をターゲットとするのであれば、彼らがどんな写真を欲しているのかを見極めるマーケット感覚と、彼らにお金を払ってもらえるクオリティの写真が撮れる技術が必要になってきます。
2.「写真だけで稼ぐ」という発想から脱却する
写真マーケット自体に価格破壊が起こると、1だけ対策してもジリ貧となってしまうことは想定しておくべきです。
そこで考えておきたいのが、「写真の知識やスキルを生かしながら、写真そのもの以外で稼げるようになっておく」という作戦です。
オススメのカメラや機材を紹介してアフィリエイト収入を得るもよし、上手な写真の撮り方を動画に収めて広告収入を得るもよし、そこからリアルな写真教室への導線を弾いておくもよし、ウェブメディアとリアルメディアを上手く使えば収入を得る手段は無限に存在します。
以上が私の考え方です。写真で収入を得始めた身でもあるので、自らへの戒めにもしたいと思ってます。
無料ストックフォトへのプロ参入問題、みなさんはどう思われますか?