#25 日本人が英語学習に挫折する2つの理由
英語が不要だと、学習意欲があっても挫折しやすい
以前の記事で、日本人が英語を話せないのは、学校教育の問題ではなく、日常的に英語を使う環境がないことが原因だと書きました。
ただ、これはもちろん日本人全員について言っている訳ではなく、当然業務等で本当に必要な人はすでにちゃんと身につけています。
一方で、ほとんどの日本人は直近で必要なくても身につけたいと思っているのではないでしょうか。英語学習のマーケットの大きさがそれを物語っています。必要なくても意欲があるなら身に付きそうなものなのに、なぜ挫折するのでしょうか。
これを知っておくことは英語学習の手助けになるはずです。今回は私が考える2つの理由を綴ります。
1.日本と英語の言語間距離が遠い
簡単に言ってしまえば、そもそも日本語と英語は全然似てないということです。
2年ほど前にフィンランドを旅していたときのこと。タンペレという街のユースホステルでドイツ人の女子高生3人と知り合ったんですが、驚くべきことに彼女らはドイツ語だけでなく英語もまるで母語のように扱うんですね。そこで聞いてみました。
「どうしてきみたちは弱冠16歳で母語でない英語をそんなに流暢に話せるのだ」
すると、
「ドイツ語に似てるからじゃないかなー」
とのこと。
あ、なるほどなーと思いました。私は大学時代ドイツ語を勉強していましたが、確かにドイツ語の文法は英語に似ていますし、単語のつづりもかなり近いです。加えてドイツ語は格の変化が英語よりずっと複雑なので、ドイツ語が母語だったら英語は簡単だろうなぁと納得しました。
一方で、日本語と英語の関係はどうでしょうか。以下記事では、英語のネイティブスピーカーから見た、他言語の習得難易度が紹介されています。
日本語が"hard"の部分に位置していますね。これはつまり、日本人にとっても英語が"hard"であることを意味します。
ただ、これに関してはもう変えようがありません。だから、英語の学習がうまくいかないから自己嫌悪に陥る、のではなく、我々日本人にとってはそもそも英語を習得することが難しいのだ、習得できたら逆にすごいんだ、というマインドで学習すべきなんです。その方が余分な力が抜けてストレスなく習得できるのではないでしょうか。
2.英語が話せる=ネイティブレベル、だと思ってる
バイリンガールのちかさんが面白い指摘をしていたので共有します。
私も、ネイティブのように話せないと英語が話せたことにならない、とずっと思ってました。我々には彼らに一生追いつけるはずなんてないのに。
TVでCNNインターナショナルのチャンネルを見ていると、アジア、アフリカ、中東、様々な国籍の人々がインタビューされていますが、はっきり言って欧米圏以外の国民の英語は癖だらけです。(蛇足ですがフィリピン人の英語は相当綺麗だと思いました)
最初は自分のことは棚に上げて、よくもまぁそんな英語話すわなーと思ったものですが、その考え方がいけなかったんです。同じことばでも話す人、話される土地が違えば独自に変化して当たり前です。日本の方言のように。
そして何より、彼らは堂々と話すんです。堂々と話すから、内容も伝わってくる。クリスチャンアマンプールもうんうん頷いていました。
ちかさんはこれを「日本人が英語を話せない理由」として述べていましたが、私は「挫折する理由」に置き換えて解釈しています。
日本人がなぜこのように考えてしまうかというと、これはひとえに国際感覚の欠如だと思います。一度アジアに出て英語を使って生活してみるだけで、あ、この程度でいいのか、と感じるはずです。そういう人が増えてくると、日本人英語Japanglishも普及していくことでしょう。
今日のまとめ:
日本人が英語学習に挫折する理由は以下2つ。
1.日本と英語の言語間距離が遠い
2. 英語が話せる=ネイティブレベルだと思ってる
だから挫折しないためには、日本人にとってそもそも英語の習得は難しいことを意識した上で、不完全な英語でも自信持ってどんどん使いましょう。バイリンガルでもない限り我々がネイティブになるのは不可能なんだから。