未来経済ラボ

新しい経済で生きる実験の記録です

#234 ジャズミュージシャンのギャラっていくら?これからのライブとの向き合い方

先日、ジャズクラブでピアノ演奏のお仕事をさせて頂き、本当に楽しい時間を過ごすことができました。

 

ただ同時に、ああ、ジャズミュージシャンにとってのライブっていうのは、これからは収入源ではなく「メディア」として付き合うべきなんだな、ということを感じました。

 

ライブが「メディア」である、とはどういうことか?まとめてみました。

 

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ギャラっていくら?

 

まずそもそも、ジャズミュージシャンは1回のライブでどれくらいのギャラをもらっているのか?お店に呼んで頂いて演奏した過去2回のケースを振り返ります。

 

先日のライブ@六本木

7名で演奏して、合計で17,000円でした。お酒をたくさん注文して差し引かれているので、それを除けば一人3,000円といったところでしょうか。

 

3年前のライブ@池袋

4名で演奏して、合計は忘れたけれど一人3,500円くらい頂いたのを覚えています。

 

私はアマチュアなのでこれくらいですが、プロでもいいところこの2〜3倍がいいところだと思います(もちろん、小曽根真さん、上原ひろみさんクラスの世界的なミュージシャンはこの限りではありません)。

 

拘束時間は?

 

先日のライブで言うと、17時から19時までリハーサル、20時から22時までが本番だったので、4時間ですね。だいたいどこもこれくらいだと思います。

 

時給に換算すると?

 

3,000円とか3,500円を4で割ると、時給700〜800円くらいが相場ということになります。そうなんです、単純な拘束時間で割ると、アルバイトより割が悪くなるんです。

 

プロになると上述のとおり2〜3倍にはなりますが、通常1日1ステージなので、いいところ日給1万円といったところでしょう。

 

ライブで得られるものとは?これからの向き合い方

 

驚かれるかもしれませんが、ものすごく高度なパフォーマンスをしているにも関わらず、ジャズの世界はプロですらほとんどの人は会社員より稼げないのです。なので演奏の仕事は副業だという方は多いし、プロの方でも昼間には教える仕事をしたりして生計を立てていることが本当に多いんです。

 

ですが嘆いても実情は変わりません。ライブで稼げないことに不満を漏らすのではなく、ライブをうまく活用して収入源を生み出すビジネスセンスが、これからのミュージシャンには求められます。

 

ライブをするメリット

 

そもそもライブをすることにはどんなメリットがあるでしょうか?

 

・お客様の前で全力で演奏することで、自分の演奏の幅が広がる

・共演したメンバーの方と仲良くなり、今後も一緒に共演させてもらえる

・お店の方と仲良くなり、次回のライブをさせてもらえる

・お客さんと仲良くなり、次回のライブに来てもらえる

 

そうです、ライブは結局、人とのつながりを作ったり、より強くする場なんです。人が集まるという意味ではそれは「リアルメディア」とも呼べるのではないでしょうか。ライブをそのように捉えると、稼げないことに対して不満を感じることもなくなるはずです。

 

ネットメディアの活用も大切

 

一方で、プロのミュージシャンを見ていると、ライブではすごい演奏をしているのに、ブログ上で演奏スケジュールが全く更新されなかったり、デザインがイケてなかったりすることがとても多いです。

 

ライブに来て頂けるのはせいぜい数十人だけど、ブログやSNSはやり方次第では何万人もの人にリーチできることを考えれば、収益化の余地があるのは断然後者です。

 

だからみんなもっとネットメディアに力を入れるべきだと思います。ライブに来てもらえるような工夫をすることはもちろん、自分のパフォーマンスやレッスン動画をYouTubeで公開して広告収益を稼いだり、できることはたくさんあります。ミュージシャンは自分自身が商品なわけですから。

 

ネットメディアとリアルメディアの両輪を

 

そんな訳で、ミュージシャンとして生計を立て、活躍していくためには、この両輪をうまく回していくことが必要になっていくはずです。逆を言えば、プロほどの技術がなくても、ネットメディアを上手く活用できていれば、プロよりも稼ぐことができるはずです。

 

とまあ、分かったようなことを書いてしまったので、まずは自分が実験台となって証明したいと思います。今後とも応援よろしくお願いいたします!

 

 

そういえば2年前のバークリー留学中にも似たようなこと書いていたので、よろしければご覧下さいませ。