未来経済ラボ

新しい経済で生きる実験の記録です

#127 日本人はもうこれ以上物質的に豊かになれない

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前回の記事で取り上げた5つのポイントについて、今日はもう少し深堀りしてみたいと思います。


今日のテーマは1について。

1.日本はすでにこれ以上物質的に豊かになれないほど豊かになってしまった

2.今後は精神的な豊かさを追求していかないといけない

3.一方で、生活のためにはある程度お金を稼がなければならない

4.ところがその手段は会社に所属するしかなく、会社での仕事は精神的に満たされない

 

フィリピン、アメリカに合計約1年滞在して日本に帰って来て感じたのは、「日本ってなんて素晴らしい国なんだろう」ということでした。どこに行っても安全、食事はバリエーションが豊富で美味しい、お店の接客は丁寧。

 

じゃあ逆に、日本に物質的に足りないもの、欠けているものってなんだろう?って考えてみても、全く思いつかないんですよね。

 

そこで悟りました。日本はもう完成された国家なんだな、と。

 

ところが、同時にびっくりしたのは、最近何を買っても感動しなくなったことです。もちろん欲しいものを買ったときは嬉しいんだけど、買った瞬間にその感情がなくなるというか・・・。

 

祖父母や両親の話を聞くと、日本が高度経済成長していた時期は、今の生活は大変だけど頑張れば必ず給料が上がって、そのうちテレビが買えて、冷蔵庫が買えて、自動車が買えて、・・・。物質的な満足がそのまま精神的な満足に直結する時代だったようですね。

 

ところが、いまのぼくたちの世代の多くは、物心ついたときから少なくとも衣食住は十分満たされていて、欲しいものもほとんど我慢せずに手に入れることができているんじゃないかと思います。

 

ぼくたちはもう、消費することでは幸せを感じられなくなったんだと思います。

 

だから生活が苦しい人は別として、ある程度の収入がある人であれば、給料が全然上がらないと会社に不満を言うのも、年収600万円以上の相手じゃないと結婚できないと言うのもナンセンスです。それが満たされたところでもう幸せにはなれないんだから。

 

お金の大切さを否定する訳ではもちろんないし、世の中の人々の悩みの多くはお金に関するものであることも理解しているつもりです。だけど、お金なんて必要なものさえ手に入ってしまえばあとはただの紙切れでありデータベース上の数字に過ぎないんだ、って考えられるようになることがいまの日本人が生きる一つのポイントになるような気がして、今回の記事を書くことにしました。

 

次回に続きます。